昨今の大学生における就職観2011年1月10日

 

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大学生の就職観

多くの大学生にとって、就職や進路の問題は大きな関心事といえます。 ある女子大学で現在の不安は何かという問いを1年から4年までにしたところ、全体の77%が将来の進路や就職に不安をもっていたといいます。
実際に学生に尋ねてみると、その不安の内容は非常に漠然としたもののことが多い印象があります。
具体的に悩んでいる事象があるというより、どういうものなのか想像がつかないということからくる不安を訴えるようなのです。

就職という言葉から何を連想するか尋ねた時、学生から戻ってくる答えにあまりバリエーションはないことに驚かされます。
誰でも知っているような大手企業の名前を挙げて、「人気があって難しいからとても私には入れない。」と言葉を添えたりします。
当初は憧れの言葉を口にするのですが、自分の能力のなさをことさらに強調するようなことを言いそえ、最終的には敬遠するようなそぶりを見せることすらあります。
もっとも、その企業のどこに魅力を感じるのか尋ねると、はっきりとした答えが返ってくる場合は殆ど無いのが現状です。
せいぜい、大手で知名度が高いというような、その企業独自のものとはいえない特徴を挙げるくらいで、あまり具体的ではありません。
企業に対するイメージが、非常にあいまいであることが伺えます。

同様なことは職種についてもいえます。
学生が身近に接する働く姿といえば教員くらいで、具体的なビジネス現場に遭遇する場面が少ないせいかもしれません。
女子学生に質問すると一番多く挙げられる「普通のOLになりたい」という言葉にしても、具体的に何をさしているのかは非常にわかりにくいものです。
ご丁寧に「自分は何もできませんので普通のOLくらいしかなれないと思います」。と答える学生がいたりしますが、それこそ何も出来ない社員ではたちまち首になってしまうでしょう。